ものはためし

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夫婦善哉の世界を食べ歩く!千日前・道頓堀・法善寺横丁グルメツアー

      2016/01/24

ああお腹がすいた。

織田作之助の小説を読むといつもお腹がすきます。必ずと言っていいほど食べ物に関する記述があって、そのどれもおいしそうなんですよね。特に代表作である「夫婦善哉」の主人公は食道楽なこともあり、とても多くの食べ物やお店が登場します。

織田作之助の小説に出てくるお店は、だいたい実在のものです。その中にはいまも営業されているお店もある。

「夫婦善哉」に登場するお店でかつ現存しているものは、小説のタイトルにもなっている「夫婦善哉」をはじめとして法善寺横丁の近くに固まっています。ですからそれらのお店をはしごして回るルートを考えてみました。

主人公である柳吉のポリシーが

一流の店は駄目や、汚いことを言うようだが銭を捨てるだけの話

であるので、ルートをすべて回ったとしても1万円程度とリーズナブル。

1.をぐら屋

まずは昆布の老舗「をぐら屋」で手土産を買います。いきなり手土産かよ、と思われるかもしれませんが、お店の閉まる時間が今回紹介する中で一番早いので。それに原作に出てくる順序どおり。

大阪の食文化には昆布が欠かせません。いたるところに昆布が登場します。ダシに使うだけでなく、塩昆布や佃煮などいろんなかたちで昆布を味わいつくします。

大阪出身のご年配の方に「をぐら屋」の手土産をわたすと、きっと喜んでいただけるでしょう。

昆布のお取り寄せギフト|小倉屋 大阪戎橋筋(こんぶのおぐらや)

2.自由軒

次に「自由軒」のライスカレーを食べます。先ほど”原作に出てくる順序”と書いたところですが、自由軒が出てくるのは原作の後ろのほうです。ただこの後のお店が飲み屋さんなので、悪酔いしないためにもガッツリと食べておきましょう。

自由軒のライスカレーは世間一般のカレーライスとは全然違います。普通のカレーライスはルーとごはんが分かれていたり、ごはんにルーがかかっていたりします。しかし自由軒のライスカレーはルーとごはんがはじめから混ざっていて、生卵がかかっているんですよ。はじめて見る方はびっくりすると思います。

3.たこ梅

「たこ梅」と次の「正弁丹吾亭」は関東煮(かんとに)のお店です。関東煮とは関東炊き(かんとだき)とも言って、つまりは”おでん”のことです。

「たこ梅」ではとりもなおさずタコを食べましょう。タコの甘露煮が名物です。

タコの他にもおいしそうなネタがいっぱいありますが、次のお店のことも考えて腹五分目くらいにとどめておきましょう。

4.正弁丹吾亭

「正弁丹吾亭」も関東煮が有名なお店ですね。しかし「たこ梅」とは違って、こちらは味噌おでんが名物となっています。

また「正弁丹吾亭」は割烹料理屋でもあって、しっかりとした和食を味わうことができます。日本酒でも飲みながら、しっぽりと落ち着いた時間を過ごしましょう。

5.夫婦善哉

最後はやはり小説のタイトルにもなっている「夫婦善哉」で締めましょう。甘いものを食べると落ち着きますからね。一人前をたのむと二杯のぜんざいが運ばれてきます。しかし決して一人前を夫婦で分けるといった「一杯のかけそば」的な話ではなく。

あと、お店のほうが小説をパクって名物にしたと思っている方がおられるかもしれませんが、逆ですからね。もともとお店が提供していた夫婦善哉を、織田作之助が小説のネタにしたというのが正しい順序です。

夫婦善哉のお店がある法善寺横丁は、道頓堀と千日前のちょうど真ん中あたりにあります。しかし、にぎやかな通りに挟まれているとはとうてい思えないほど情緒あふれる横丁です。ぜんざいを食べた後は、ぜひともぶらり散歩してから帰りましょう。

ルート

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