『新・のび太の日本誕生』を観て感じたオリジナルへの不安と期待
小学1年の娘と幼稚園の息子を連れて『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』を観てきました。
タイトルに『新』とあるとおり、これは劇場版第10作目『のび太の日本誕生』のリメイク。わたしは過去にオリジナル版(大山のぶ代版)を何回も観ているので、むかしのものと比べながら観ていました。
詳しくはネタバレになるので書きませんが、話の筋はまったく一緒です。大きなところでは、最後の解決方法が違う。藤子・F・不二雄先生お得意の大ドンデン返しではなくなっています。それよりも友情だったり絆を強調して、よりストーリーに深みをもたせたものとなっていました。
ドラえもんらしい奇想天外なアイデアが好きだったわたしとしては残念です。しかし物語としての完成度という観点では、今回のリメイク版のほうが高いと言えるでしょう。子供たちは旧版を観たことがなく、まったく前知識なしにリメイク版を観たわけですが、かなり楽しんでいたようです。
来年は南極大陸が舞台か?
毎回、エンドロールが終わってからちょこっとだけ、次回作についてのヒントになる映像が映し出されます。それをもとに、次はあれだこれだと予想するのが楽しかったりするわけですな。
今回のそれは、ドラえもんが分厚い防寒着を着ていて、背景には氷と雪。そして氷の向こうには何やら遺跡らしいものがある、といったもの。
これらの情報からわたしが推測したのは、次回作は南極大陸が舞台ではないか?ということ。夏の暑さに嫌気が差して、ドラえも~んどこか涼しいところにつれてってよ、となってどうせなら一番寒いところで南極大陸。南極の氷を掘って自分たちの基地を作ったものの、実は氷の下には文明社会があった。とまあこんな流れではないかと。
南極の氷ということで、地球温暖化とからめて環境問題をテーマに推し進めてくることが考えられます。いや絶対にそうだ。だからわたしは不安になっています。だって過去にメッセージ色を強く推し進めた作品はすべてクソつまらないから。
『のび太とアニマル惑星(環境問題)』『のび太と雲の王国(環境問題)』『のび太と奇跡の島(親子の絆)』……。どれも駄作。『雲の王国』とか名作なんて呼ばれている理由がわかりません。大人の評価より子供の評価。子供たちは正直です。例として挙げた3作品をわたしの子供たちに観せたこともありますが、どれも途中で別のことをしだして映画を見ていませんでした。
わたしが思うに
劇場版ドラえもんにとって
テーマは手段であって目的ではない
んです。
ストーリーに深みを添えるためのエッセンスとしてテーマがあるだけで、テーマのためにストーリーがあるわけじゃない。これはどんな映画にも言えることだと思うんですが、子供向けの映画だとなおさらです。そこらへん分かってくれてるのかな。
ローテーションからすれば次はオリジナル脚本のはずなので、不安ではあるものの期待もしています。