Drupal Commerce の普及に何が必要か EC-CUBE を例に考える
”なんでもできる” Drupalは当然のことながらオンラインショップをつくることもできます。Drupal Commerce というのがそれ。
いまオープンソースのソフトウェアを利用してオンラインショップをつくるとなったら真っ先に名前があがるのがEC-CUBE。EC-CUBEは2006年に公開されて、またたく間にオンラインショップのオープンソースでナンバーワンになりました。いまや事実上の標準、デファクト・スタンダードってやつですよ。それほどの存在になりました。
しかし、Drupal が好きなわたしとしては Drupal Commerce も流行ってほしい。
だから Drupal Commerce を日本で流行らせるのには何が必要か、そのヒントを得るためにEC-CUBEの成功を分析してみましたよ。
EC-CUBEが流行った理由
私はEC-CUBEとも付き合いが長いんです。EC-CUBEが公開されたその日から使い始めていますし、開発コミッターとしても長らく活動しています。決して中の人ではないんですけどね。けど中の人とも知り合いです。
そんな私が考える、EC-CUBEが成功した理由はこれです。
- 日本語であること
- 仕様がなじみのある形であること
- 管理画面がわかりやすいこと
- 公式サイトがきれいなこと
- 企業が開発していること
日本語であること
当たり前のことなんですが、EC-CUBEに表示される文章はすべて日本語です。
日本において日本語を読み書きする日本人が利用して同じく日本語を読み書きする日本人を相手に商売するのですから、ウェブサイトに表示される文章は、管理画面を含めて日本語でなければなりません。
ちらっとでも英語の文章が表示されたらアウトです。英語に親しみのない方々の英語アレルギーはそれはもうすさまじいものです。ほんのちょっと翻訳漏れがあっただけで評価は地に落ちます。
日本でおなじみの仕様であること
これは例えば商品を登録するとき、入力した後で送信ボタンをクリックすると確認画面が表示されるといったところ。海外製のプログラムだと、さすがにお客が買い物する場合には注文の確認画面があるものの、商品情報の編集とか送信ボタンをクリックしたらそれで完了ですからね。
入力フォームが日本仕様なのは当たり前。名前の入力欄が「姓」「名」の順番で分かれていること、ふりがなの入力欄があること、郵便番号が3桁4桁で分かれていること、電話番号の入力欄が3つにわかれていること。
楽天市場で買い物をしたことがある人であれば、なにも引っかかることなく注文できるようなサイトができあがります。
管理画面がわかりやすいこと
上記のふたつが徹底されているので、管理画面を見ればおおよその操作方法がわかります。少なくとも楽天やYahoo!でショップを運営したことがあれば迷うことはないでしょう。
さらには管理画面のデザインが日本人好みであることも大きな要素。
公式サイトがきれいなこと
EC-CUBEの公式サイトは、ウェブサイト制作に精通した企業が運営しているだけあって見栄えが良いです。素人っぽさがなくて、プロが作っているんだとわかります。
それはEC-CUBEを作っているのはプロの集団なんだという認識につながり、ひいてはEC-CUBEに対する安心感につながります。
お金をあつかうシステムにおいて、この安心感はすごく大事。
企業が開発していること
これも同じく安心感。そのソフトウェアを提供しているのが個人ではなく企業であるというのは、日本においてとても重要です。
個人だと信頼できなくて、企業だと信頼できる。個人が趣味でつくったソフトウェアだといーかげんなものかもしれないが、企業が業務でつくったものだったらまず間違いないだろう、というわけです。